東畑(とうはた)さんを知ったのは、『居るのはつらいよ』を出版された2019年だったと思う。その頃私は、統合失調症を発症した息子に必要なのは休息だと信じていた。それは間違いではないと今でも思っている。だけど当時の息子は「前のように動きたい。でも動けない。」と苦しんでいた。対話のことも知らず「ゆっくり休んだらいいんよ」と一方的に言っていた。
『居るのはつらいよ』、寅さんを思い起こさせるユニークなタイトルだ。
どこで聞いたか読んだか忘れたけれど、「ゆっくりしてたらいいよ」とか「休みながらでも、そこに居るだけでいいんだよ」と周囲から声をかけられる当事者が、実はそれこそが悩みの種、というのだ。それを知ったとき、大きなパンチを食らった感じだった。それと同時に、心から休めない息子に何てことを口にしていたんだろうと後悔した。
その東畑さんが『聞く技術 聞いてもらう技術』を出された。これまた面白いタイトルだ。「“聞いてもらう”技術、そんなものが???」
“聞いてもらう”の意味するところは、私が思ってたものと違っていたのだけど、心に響く言葉が次々と出てくる。その中の1つをシェアします。
『心のケアとは話を聞かれることである。
それは日常で皆がやっていることである。
どうしても日常で「聞く」がうまくいかなくなってしまったときだけ、
専門家の出番があるけれど、
ほとんどの場合はそれは身近な人間関係によって満たされている。』
統合失調症を“もって”しまった息子とも、「話す聞く」を活用しながら穏やかに暮らせたら言うことないなぁと思う。
はじめまして。
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T様
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